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2019年06月10日大人の引きこもり

先日の登戸で起こった事件や、その数日後に起きた引きこもりの息子を父親が殺害するといった事件も、社会参加が何らかの理由で出来ていなかった「大人の引きこもり」を改めてニュースとして取り上げられたことではないでしょうか。当院ではそういった相談も多く、日頃からこの問題の解決にご家族ともご面談をすることも多く、実際に引きこもりの方に精神疾患を抱えている方も多いことを実感しておりました。

実際に精神疾患を抱えていなくても、「職場で馴染めなかった」「就活に失敗した」「やりたいことが見つからない」等でつまづいたことをきっかけに引きこもる方も多くいらっしゃいます。

「次に向けて頑張ろう」という方は引きこもらずに、再度外に出ることも出来ます。しかし、疲弊し更に極端に真面目な方は、「人間関係に波風を立てない様に」や「あの問題を解決させないと無理だ」等、考えに考えており、なかなか外に出ることができなくなってしまい悪事循環に陥ってしまいます。

またそういった方のご両親は「私達の教育が失敗だった」「何が問題だったのか」と悩み、「本人のやりたいように」「見守って最大限の援助を」と思い更に本人たちとの溝・考えの乖離につながっていってしまうのです。

好きで引きこもりになっていない方は突然社会に出るということは恐怖でしかなく、日本特有の所属への欲求が高く、「普通」であることが常識となっている社会においては更に、外にでる恐怖が強くなってしまいます。ご家族も高齢になってしまい経済的にも支援が大変になることも考えられます。引きこもりの年数が多くなる前に支援団体・行政機関・精神科医療機関にまずはご相談をすることが大切です。

全国の都道府県、政令指定都市には行政・ハローワークなど関係機関と連携した「ひきこもり地域支援センター」や、各県や市町村にて地域に潜在する当事者の早期発見を促す「ひきこもりサポーター養成研修事業」、研修修了者が当事者宅を訪問する「ひきこもりサポーター派遣事業」などが設置されています。

もちろん医療機関へのご相談でも、ご紹介できる社会資源もあります。

​在宅で出来るしごとや、顔を合わせずにできる仕事も多く出来ている昨今、まずは色々なところにご相談されてみることが、問題解決への第一歩かと考えています。

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