精神保健福祉士 小林

仕事をするうえではしっかりと目的意識をもって取り組んでほしい

精神保健福祉士 小林

仕事をするうえではしっかりと目的意識をもって取り組んでほしい

患者様のために組織を維持する

―登戸診療所に入職した経緯を教えて下さい。

もともと人の役に立つ仕事をしたいという思いを持っており、以前は高齢者向けデイサービスの生活相談員として働いていました。デイサービスのご利用者様の中には、例えば認知症があり、デイサービスに行くという認識がなく、拒否してしまう。なんとかお連れしたとしても興奮してしまい、1日そこで過ごすことが出来ないという方も少なくありませんでした。

本来デイサービスはご家族の負担軽減がひとつの役割ですが、こうした事情などで利用できず、負担が強まっている状況をどうにか変えられないだろうかと、働いているうちに考えるようになっていったんです。そこで、受け入れる側であるデイサービスから、能動的に患者様の下に向かっていく精神科在宅医療の世界に転身し、問題の根底に積極的にアプローチをしていきたいと考えて登戸診療所に入職しました。

精神科在宅医療の現場に入って10年経ちますが、事前に考えていたような形で患者様にアプローチできていますし、着実に成果も出せていると思います。ただし、想像以上に医療的な知識やスキルも求められる環境だというのが正直なところです。そのため、精神科在宅医療の現場で働くには、しっかりとした目的意識を持っていただきたいと思っています。

―現在の主なお仕事内容を教えて下さい。

もともとは精神保健福祉士として入職しましたが、現在は管理職として、最初に患者様の下に伺って面接を行って対応方針を決めるインテークの業務や、法人の採用や広報活動といった運営業務を主に行っています。

―お仕事を行う上で意識していることや大切にしていることはありますか。

私の最大の仕事は法人の維持・発展を支えることです。採用活動や広報活動を通じて組織の経営状況を悪化させず、労働環境を良くしていくことを意識しています。これはもちろん職員のためでもあるのですが、経営状況や労働環境が悪くなりサービスの質やモチベーションが低下すると、最終的には患者様や関係機関の皆様に対してご迷惑を掛けることになってしまいます。その視点を忘れずに日々の業務に取り組んでいます。

患者様だけではなく全体を見る

―お仕事のやりがいを教えて下さい。

転職したきっかけでもありましたが、能動的に患者様に関わっていくことで、患者様ご自身はもちろんご家族や周囲の方々の助けになれたと感じられた時にやりがいを感じます。

我々の仕事は患者様だけではなくその周囲の方々のためでもあると思っています。例えば普段介護しているご家族のストレスが溜まって患者様に対して暴力を振るってしまうというケースは少なくありません。そうした事態が起こる前にご家族の心理的ケアができていれば、結果的に患者様のためにもなるのです。患者様だけに向き合っていても問題は解決できない事があるということは、この仕事に関わる人には知っておいてもらいたいと思っています。

―今後の目標を教えて下さい。

精神科在宅医療という選択肢があることを世の中の人に知っていただくことです。私たちは患者様や地域に対して貢献できているという自信は持っていますし、昔と比べて精神科医療にアクセスするハードルは下がっていると思います。ですが、まだまだ認知度は低いですし、医療を受けたい方、受けるべき方が精神科医療に繋がれていないということも事実です。すべての方が気軽に精神科医療を受診できる時代が来てもらいたいと願っていますので、そのためにも自分たちは良い医療を提供し、その活動を広めていきたいです。

良い意味で「仕事は仕事」として捉えてもらいたい

―入職を検討している方にメッセージをお願いします。

月並みな表現かもしれませんが、一見地味な仕事でも、コツコツと積み重ねていくことが大事な仕事なので真面目な人と一緒に働きたいと思っています。その一方で、社会的意義が大きい仕事ではあるものの、良い意味で「仕事は仕事」として捉えられる方が望ましいですね。私たちは患者様だけではなく国からもお金をいただいて活動しているので、ボランティアではなくプロフェッショナルとしてサービスを提供していかなくてはなりません。だからこそ求められる知識やスキルのレベルは一定以上ですし、入職後の自己研鑽も必要になるのです。

一方で、相反するように聞こえるかもしれませんが、この世界に足を踏み入れる動機自体は自由だと思っています。例えば医療や精神科を舞台にしたドラマや映画、漫画やアニメなどを見て憧れた、というものでもいいんです。ちなみに私は高校生の時に読んだ某漫画でした。始まりはどうあれ、仕事として問題を洗い出して解決方法を探り実践していくというスタンスで向上心をもって取り組んでいただきたいと思います。最初の一歩としてまず当法人の理念やビジョンを知っていただけたらと思います。そしてその中で自分がどういう風に仕事に関わりたいか、この仕事を通じて何をしたいのか。そうした目的意識をもった方と一緒に働けることを楽しみにしております。

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