精神保健福祉士 小倉

苦手だった対人コミュニケーションも、患者様や周囲のおかげで伸ばしていくことができました

精神保健福祉士 小倉

苦手だった対人コミュニケーションも、患者様や周囲のおかげで伸ばしていくことができました

先輩に教わった2つの大切なこと

―医療の世界に進み、精神保健福祉士となったきっかけを教えて下さい。

父が介護職に従事していた影響で福祉や医療の世界に進もうと考えていましたが、大学進学後に「直接目に見えない領域」を治療する精神科医療の分野に興味を抱き、精神保健福祉士の資格を取得しました。精神科医療の中でも在宅医療を志望したのは、学生時代の実習で精神疾患を抱える方々は地域で生活する上で様々な苦労や課題に直面していると知ったからです。中でも人口の多い都心部においては医療に繋がれていない方も多いので、そういった患者様を支援したいと思い、心翠会に入職しました。

―現在、どのような形で日々のお仕事に臨んでいるのでしょうか。

患者様やご家族からのご相談への対応、関係機関との連携といったケースワーク業務が主な仕事です。その他、訪問診療や訪問看護や、初診の前にご自宅に訪問してこれまでの生活歴、生活状況、今困っていることなどについて伺うインテーク面談も担当しています。

どのような業務においても「些細なことでも気にかける」「常に疑問を持つ」という2つを意識しています。例えば普段は化粧をしない女性の患者様がある日伺った時には化粧をしていたとします。あるいは精神疾患を持たない方ならさほど気にする必要はありませんし、単に外出するためにお化粧をされているのかもしれませんが、精神疾患を抱える方の場合の些細な変化は体調の悪化に繋がってしまうことが多いんです。ですから、そういったちょっとしたちがいを感じたらしっかりとケアをできるようにしています。この考え方は入職してから先輩に教えていただいたことですが、今でも変わらず意識するように心がけています。

学生時代との大きな違いは「責任感」

―この仕事のやりがいを教えて下さい。

精神疾患を抱えていてもSOSを出せずに社会との距離が遠のいてしまう方や、病識がなくても治療の必要がある方も多くいらっしゃいます。そうした方々の元に伺って一から医療に繋げていくことが私たちの意義であり、強みだと思っています。全員が全員スムーズに治療を受けてくれるわけではありませんが、生活における困り事を掘り下げたり、それに対して私たちが何をできるかを説明したりすることで理解いただき、治療を受けてくれるようになるとやりがいを感じます。

その反面、私たちは無理やり踏み込んでいったり、力づくで引きずり出したりするようなことはできません。当然、ご家族や行政の依頼で訪問をしているので何とか治療に繋げていきたいですし、試行錯誤も重ねていますが、バランスを保ちながらも患者様の権利を侵害せずに対応していくのは、この仕事における大変な部分でもあると感じています。

―小倉さんは新卒で入職されて3年が経過していますが、学生と社会人という立場の違いをどう感じていますか。

当然のことではありますが、学生時代と今では責任がちがいます。学生時代から実習などを通じて患者様と接する機会はありましたが、当時は「学ばせてもらっている」という感覚がありました。ですが、現在は専門職として対価をいただいた上で患者様に医療サービスを提供しているので、プロとして仕事をしていかなければならないことを日々感じていますし、知識やスキルを身に付けるための勉強も欠かせません。

正直なところ、働き始めたばかりの頃はこうした考えを持てていませんでしたし、日常的な言葉遣いや作法の面でも至らない点が多々ありました。その中でも先輩方がしっかりと教えてくれましたので、以前に比べれば少しはプロとしての振る舞いが身に付いてきたかなと感じています。

コミュニケーション力を伸ばしていきたい

―今後の目標をお願いします。

だんだんと任される領域も増えてきたので、これまで以上にスムーズに仕事をこなせるようになっていきたいと思っています。そのためにも、私たちの仕事の根幹である対人コミュニケーションの力を伸ばしていきたいです。

実は私は、普段はすごい人見知りなんです(笑)。社会人になったばかりの頃は初対面の方ともなかなか上手に話せなかったのですが、仕事を通じて多くの方と触れ合ったり、院内で意識的に先輩方や同僚とコミュニケーションを取ったりすることで、少しずつコミュニケーションスキルが身に付いてきました。患者様やご家族と信頼関係を築くにはまだまだ伸ばしていかなければならないので、今後も意識していきたいと思っています。

―入職を検討している方にメッセージをお願いします。

当院の場合、デスクワークだけではなく外に出て動き回ることも必要になってきます。そうやって色々な環境に身を投じ、一人ひとりの患者様と近い距離でケースワークができるのは楽しさのひとつではありますが、体力も必要とされる点は知っておいていただきたいと思います。とはいえ、年代や職種に限らずスタッフは気軽に会話できますし、いい職場であることは間違いないと思いますので、精神科在宅医療に興味がある方は是非検討してみてください。

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